滝取締役コラム ~努力の結果はすぐには表れない~

藤井聡太八冠の活躍があり,最近,将棋がよくニュースになります.将棋ファンが増えているそうです.

わたしは2年ほど前から詰将棋を始めました.囲碁か将棋をやりたいと若いときから思っていたのですが,なかなか始めることができずにいました.息子が孫に将棋を教え始めたと聞き,この機会にわたしもやろうと決心したのです.いつでも,どこでもできるということで,詰将棋で勉強することにしました.

3手詰の本を買って始めたのですが,全然解けないので前に進みません.しかたなく,解答を見てから,次の問題に進みます.202問ある本を読み終わったら約1年経っていました.同じ本をもう一度最初から読み始めました.半分くらい読み進めたあたりから,急に答えがわかるようになってきました.答えを記憶していたわけではありません.理詰めでわかるのではなく,感覚的にわかるという感じです.階段の踊り場が長く続いていたのが,急に階段を5段上がったような気分です.

 

このような経験は今まで何度もした記憶があります.特に,新しいことを学ぶ時によく経験しました.

60歳を過ぎてから人工ニューラルネットワークを使う必要があり,人工ニューラルネットワークの教科書を読みだしたのですが,全然理解できません.とにかく使えるようにならなければと,数式の意味も理解できぬままプログラムを作って,計算だけはできるようにしました.いろいろ計算をしているうちに,もう一度教科書を読み直してみると,今度は数式の意味が理解できるようになっていました.報告書を作成するために,理解できなくてもたくさん数式を書いたこと,たくさん計算結果のグラフを見たことが重要だったように思います.

ナスカの研修では,「数式の意味がわからなくても使おう.使っているうちにわかるようになる.」,「手を動かすとわかるようになる.」と社員にいつも言っていますが,それはわたしのこのような経験に基づいています.わからなくても,「今は踊り場にいる.もうすぐ上に進める.」と思って我慢して学び続けてほしいと思います.

 

最後に詰将棋の話に戻りますが,次は5手詰に挑戦します.

 

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